2012年まで数年間、長期的に減少トレンドだったアニメ&マンガ&アニソンだけど、どうも2013年は突如反転しました。10月期は10本以上視聴してたしなあ。入荷曲数は923曲・247枚なので増えてないんだけど、とにかくよく聴いた。再生回数100回突破がぴったり30曲。Top100の下限は17回。全体的に、数十回聴く曲までは多いけど、下があまり伸びなかった感。今年はアルバムとシングルでちょっとトレンドが違い、トップが去年と同様、あおちゃんが1-2-3フィニッシュだったということもあり、まずはよく聴いたアルバム5枚から言及していきたい。よく聴いたアルバムは以下の5枚。
今年は悠木碧「メリバ」の年であったと言えましょう。ワタシの尊敬するアーティスト圧倒的ナンバー1の新居昭乃&チーム新居昭乃が、同じくワタシの愛する声優さん圧倒的ナンバー1のあおちゃんの組み合わせ。間違いなくこの世の中で一番幸せなのは自分であったと断言せざるを得ない。基本的に、昭乃さんがプロデュースする人は、昭乃さんワールドの住人になるという方向性が多いと思うのだけど、「メリバ」は珍しく、歌い手本人の世界観が音楽と拮抗する方向に作用していて、新居昭乃作品とも違うし、前作プティパでの方向性とも違っていて、なるほどケミストリーとはこういうことを言うのかと、そういうアルバムに仕上がっていたといってよいのではないでしょうか。ずっとこの方向で活動してほしいなあ、と思うけど、まあポピュラリティはザンネンながら無いと思うので難しいのかなあ。プチミレディのほうがリスナーの求める方向性なのかもしれない。でも、あれだけ独特の世界観を持ってる人ってそうそういないので、メリバの方向性を突き詰めて、記憶に残るアーティストになってもらいたいと心底思っている。この路線なら20年後も余裕で残るアルバムが作れます。絶対。
で、アルバムからスタートしたので他に良く聴いたアルバムに言及していくと、実はアルバム全体での再生回数は一番多かったAnnabel「caracol」が次に来る。10人のアーティストとの共同作業で生まれるそれぞれ別のテイストの10曲が集まったアルバムで、実にバラエティに富んだ、10枚のシングルがセットになった、でもゼンゼンバラバラじゃなくて1枚のアルバムにきっちりまとまっている。bermeiさん、myuさん、MANYOさん、深水チエさんなどのおなじみのメンツに加えて、新しい組み合わせもいろいろあって、とにかく飽きなかった。一番再生回数が多かったのはrionosさんとの「パレルモ」で、再生時間が長かったのはQ flavorさんと組んだ「glimmer」だったけど、そういうのはちょっとした違いで、アルバム全体として何度も聴きたい作品に仕上がってました。あ、でも、Q flavorさんのエレクトロニカとの相性は相当いいな。昨年コミケの「innocent flame (Q flavor mix)」も再生回数いきましたし。なぜこれがメジャーで出ないのか。普通にこのままメジャー流通に流してもいいと思うんだけどね。
今年はいままでアルバムを出してなかった声優さんも含めいろいろアルバムが出た年だったのだけれども、一番聴いたのはその中でも、あおちゃんとプチミレディで一緒に組んでいる竹達彩奈「apple symphony」。これも……なんというかスタッフが豪華で、ちゃんとアーティストの良さを引きだそうという人と組めてるなあという幸せさがありましたね。それに、なんといっても末光篤楽曲との相性がバツグンだったと思うのですよねー。去年「♪の国のアリス」を聴いて、なんという豪華スタッフ……と思っていたので、今年「Yes-No」を1曲ループするのは当然の流れ。この2曲がアルバムベスト曲だったのだけど、その他の曲も平均的によく聴いていて。これが好き、これが嫌い、と曲によってばらつきがあるアルバムはどうしても多いし、それはそれなんだけど、「apple symphony」は嫌いな曲がほとんどなくて、貴重なアルバムでした。
同じように突出した再生回数はなかったけど平均的にどれも聴いてたのが、三澤紗千香「ポラリス」。今年はすっかりラジオスキルがついてラジオ回しのうまい声優さんというポジションだったけど、映画のヒロイン役も良かったし、「ポラリス」には歌の面でも今後の活躍を期待させるものがありました。
キャラクターソングアルバムの中では、今年突如現れて再生回数上位をさらっていったのが「ひなビタ♪」。音ゲー向けの曲を、配信ではじめつつ、ウェブサイトやラジオそしてラノベなどで広げていくという手法は面白かったし、出てくる歌もネタありマジあり幅広くて、配信でやるならこういう1曲ずつ企画を広げていくのはアリだなあと。感傷ベクトルも同じような手法でやってたけど、発売時に集中的なプロモーションを投下するのもいいけど、長くやりたいなら、1曲1曲をその周りの世界観と一緒に提示していくやり方は今後もっと前に出てきてもいいんじゃないかなと。歌よりもそれをとりまく作品世界表現になるという意味では、キャラクターソングになってしまうのかもしれないけれども、もっと色々なやり方がありそう。今作も、アルバム発売後、配信シングルではコンビでの楽曲も配信されていて、次回作も楽しみです。
次、単純再生曲数ランキング。
- 「ポポン...ポン!」悠木碧
- 「夜の扉とメリーゴーランド」悠木碧
- 「サンクチュアリ・アリス」悠木碧
- 「ねぐせ」北白川たまこ (洲崎綾)
- 「Dark Oblivion」マリア・カデンツァヴナ・イヴ (日笠陽子)
- 「虚空と光明のディスクール」霜月凛(水原薫) with 日向美ビタースイーツ♪
- 「恋とキングコング」山形まり花(日高里菜) with 日向美ビタースイーツ♪
- 「ハンゲツトウゲ」岸田教団 & The 明星ロケッツ
- 「眠るサカナ」花澤香菜
- 「月の夜に逢いましょう」九条月夜 starring 井口裕香
- 「パレルモ」Annabel + rionos
- 「innocent flame (Q flavor mix)」Annabel
- 「フリップ フロップ」豊崎愛生
- 「凛として咲く花の如く ~ひなビタ♪ edition~」日向美ビタースイーツ♪
- 「青に融ける」Annabel
- 「夢見サンライズ」歌組雪月花 (原田ひとみ, 茅野愛衣, 小倉唯)
- 「100%サイダーガール」petit milady(悠木碧・竹達彩奈)
- 「回レ! 雪月花」歌組雪月花 (原田ひとみ, 茅野愛衣, 小倉唯)
- 「Next Destination」高垣彩陽
- 「一切へ」新居昭乃
- 「PACHI PACHI PARTY」戸松遥
- 「Träumerei」LiSA
- 「シンクロマニカ」ねごと
- 「ストライク・ザ・ブラッド」岸田教団 & The 明星ロケッツ
- 「Yes-No」竹達彩奈
- 「Ombre」anNina
- 「glimmer」Annabel + Q flavor
- 「lettre」Annabel + 深水チエ
- 「カタルシスの月」水原薫・津田美波 with 日向美ビタースイーツ♪
- 「little voice」Annabel + bermei.inazawa
アルバム枠を除くと、トップ再生は「ねぐせ」洲崎綾。1月期いきなり京アニ「たまこまーけっと」でヒロインに抜擢され同時にOP/EDでデビューだったわけですが、これがまた歌もうまいし曲も良くて、ヒロイン声優としてはこれ以上ない出だしだなと思っていたわけですけれども……。いや今でも思ってますけどね!なんか声がナチュラルな質感で、過剰に演出してない素直な可愛さが歌にも演技にもプラスになっていて、本年度最優秀新人だなあと。まあ今でも思ってますけどね!まさかまさか、ラジオ番組の洲崎西で、ああいうことになるとは。いや洲崎西大好きですけれども!あやっぺ大好きですけれども!あやっぺも西ちゃんも本年度最優秀新人パーソナリティですけれども!まあしかし、この歌を聴いてるときには、なんといいますか、あのような破れかぶれの方だとは、まあ、到底想像できなかったわけですね!キルラキルでのハイテンション演技もちょっと想像できなかった。つまり、その予想を軽々と超えていくあたりが、優秀な新人である証拠なわけですね!多分!2014年も、そのあふれんばかりの天然で暴走していっていただきたい。ついでに楽曲リリースも続くといいなという。ついでじゃ困るけど!トークとキャラ演技と歌が、それぞれ全部別ベクトルで良いという新人さんは珍しい。このまままっすぐ育って欲しい。いやまじで。
6位「Dark Oblivion」日笠陽子。今年まさかの2期放映だったシンフォギア。その中でメインの新キャラ担当のひよっち頑張った。感動した。元から歌うまい人だけど、これは相当だと思いますよ。シンフォギアからはあと19位に「Next Destination」高垣彩陽が入っただけだったけど、シングル全部買ったしどれもわりと聴いてます。作品に大きくプラスになるキャラクターソングばかりでした。それにしてもこの曲を聴いたときには……まさかあんなにマリアがぞんざいな扱いを受けるとは想像出来ませんでしたけどね!!!みたいな。「Next Destination」の方は、エンディングが盛り上がれば大抵のことはなんとかなるということを証明。毎週、作品を楽しみにすることができた3割くらいはあやひめのお蔭ですよといって良いであろう。
同じくOPが盛り上がると作品全体が面白く見えてくるというのを実践したのが8位と24位に入った「ハンゲツトウゲ」「ストライク・ザ・ブラッド」岸田教団 & The 明星ロケッツ。特に「ハンゲツトウゲ」良かった!もうこんなん大好きです。あふれる厨二感。これはもう、これで良いのであります。同じパターンで、OPのおかげで作品の命運がつながった感があったのが22位「Träumerei」LiSAと23位「シンクロマニカ」ねごと。「幻影ヲ駆ケル太陽」も「ガリレイドンナ」も、ザンネンながら作品自体は期待したレベルに至らなかったんだけど、この歌が流れるOPを見るたびに、作品までなんかグレードアップしたような気がしてきたものです。そういう意味では、優秀なPVとしての作品というのはあるのかもしれません。
9位、今年はこれだけの「眠るサカナ」花澤香菜。アルバム買ったし!ライブにも行ったし!ラジオも楽しかったし!な2013年の花澤香菜、しかしながらリリースされた楽曲は若干自分の好みを外れてしまってたのが惜しい。とはいえ、「眠るサカナ」は良かった。つか、打ち込みテイストないとダメですか自分、みたいなところもありますが。なんか、本来的にはもっと好きなはずなんだけどビミョウに違う、という立ち位置の曲が多くて不思議でした。惜しい。惜しい。ほんとに惜しい。
10位、「月の夜に逢いましょう」井口裕香。本人名義のリリースもいっぱいあったしキャラソンも色々あったゆかちですが、1曲選ぶとこれ。Twitterにも書いたけど、月夜は原作でも比較的どうでもいいキャラだったし、アニメでは更にどうでもよかったのだが、この曲1曲でキャラランキングひっくりかえして神のみヒロインズの中でトップグループ入り。必ずしもゆかち本人のイメージではないと思うけど、これはもう月夜降臨してます。自分的には「rainbow heart rainbow dream☆」が一番ゆかちらしい曲かなあと。リリースが晩秋だったのでランキング入りならずでした。もったいない。
13位、「フリップ フロップ」豊崎愛生。あきちゃんも香菜たんと同じく……アルバム買ったし!イベントにも行ったし!ラジオも楽しかったし!でもやっぱりアルバムリリースは惜しいところで自分の好みから外れちゃってた。これはもう好き嫌いかなあというところです。ただ、「オリオンとスパンコール」「フリップフロップ」みたいなシングル曲をアルバムでまとめる時に、まとまりきらなかった感もないではない。でも「フリップフロップ」は好きだー。
15位、26位に、Annabelさん商業シングルリリースから、「青に融ける」と「Ombre」。「青に融ける」は、ライヒ的ミニマル・変拍子・ダンスという俺得楽曲。まさにオレだけなんじゃないかという気もするのだが……。一聴してやりたいことは120%やりたいことがわかるのはいいことです。「Ombre」も待望のanNina再始動。こういうのがゴリゴリとチャートの上位にきたら面白い世の中だと思うけど。ムリか。
16-18位に、今年あんまり自分的にはこなかった(というか、ひなビタ♪が全部もっていったというか)な、声優さんユニット曲。まず16/18位に「夢見サンライズ」「回レ! 雪月花」で、だちゃん+かやのん+唯ちゃん。「機巧少女は傷つかない」はCGを多用していて序盤は特に試行錯誤が見えてましたが、このEDが流れただけで継続決定!でした。回レ!雪月花とそのチップチューンエディットの猛烈なアッパー具合と、夢見サンライズのチルアウト感が最高の組み合わせで、延々ループしていたら余裕の再生回数100回オーバーでした。どちらかというと「夢見サンライズ」を推す。ヒゲドライバーさんいいですね。今後も注目していきたい。
17位に、本来だったらもっと上にきてもおかしくなかった 「100%サイダーガール」プチミレディ。いやー、あおちゃんとあやにゃんがユニット組むなんて想像の外でしたよ。「メリバ」も「apple symphony」も最高によかったので、組み合わせれば更にスゴイものになるんじゃないかという期待がありつつ、しかし今のところはスロースタートでしょうか。ラジオはずっと続いていたけどリリースは少なかったしね。持っているベクトルは別方向のこの二人の組み合わせを、このアイドル路線で引っ張っていくのが正しいのかどうか、2014年リリースが何枚か見えてる中で、問われそうです。と書くとネガティブな印象を持ってるように見えるかもしれませんが、まあなんというか、この二人がやることなら無条件に肯定していきますよと。
最後、21位にとまっちゃんの「PACHI PACHI PARTY」。とまっちゃんもアルバムリリースもあったしキャラソンもあったんだけど、1000%戸松遥と言えるのはこれしかない。太陽!夏!無軌道!なんでも出来る器用な声優さんだけど、戸松遥本人を語るのであれば、そういう陽性の言葉しか浮かんでこないし、それを体現したときの魅力はちょっと比べる人がいない。キャラソンというかキャラユニットだとミネラル★ミラクル★ミューズの「デートTIME」があって、これはこれでアイドルらしくていいんだけど、やっぱとまっちゃんは弾けてナンボということで。
というわけで、2013年は声優さんソングは何人かが突出してきたというのと、アニメ主題歌系がアニメ視聴本数増加にあわせて復活しつつ、Annabelさんがアニソンアーティストというよりは別方向でぐんぐん伸びてきているというリストになりました。どうもCDで買ってあまり聴かないというものもあれば、配信で買って猛烈に聴くというものもあり、コスト対効果がよくわからなくなりつつある。業界はまだ配信全面移行ということはなさそうですが、既にユーザ側は配信シフトしつつあるわけで、リリース方法ももうちょっと買いやすい方向で考えて頂きたいと思う2013年年の瀬でした。ジャケと特典のためにCD買うというのもそろそろ限界にきてると思います。うちもCDを素で再生できるデバイスは殆ど無くなっちゃったし。ハイレゾもSACDじゃなくて配信が本命になりつつあるしねえ。2014年、アニソン配信はハイレゾメインになったりしたら面白いな。まあ、ないか。笑。